第10回楽学@楽膳楽酒レポート

ポルトガルから来た宣教師軍団イエズス会。信長公は彼らから多くの知識と見地を得ることになります。戦国の世が終わった後は何を目指すのか、何を家臣に示せば混乱した世が再び訪れることを防げるか、太平の世に血気盛んな武士はどう生きるべきか、そして・・・トップに立った武人ならいろいろと考えるでしょう。
キーワードは「将来くすぶるであろう火種は合理的に排除」です。
このことを踏まえ、信長公がとるはずだった方策とは何か?それはなぜか?を考えてみましょう。様々な思想が隠されていそうです。

イエズス会員と日本人(1600年ごろ)

12月3日(土)に浅草橋の楽膳楽酒にて第10回となる明智理事の講座を行ないました。テーマは「信長は天下統一後に何をするつもりだったのか?」です。目前に迫った天下統一後の信長公の構想を見直すことがテーマです。

信長公亡き後天下統一を行なった秀吉の行動にそのヒントが隠されています。また、宣教師ルイス・フロイスが書いたフロイス日本史にも書かれています。必要な箇所だけ抜き出すとこうなります。

~略~毛利を征服して日本六十六ヵ国の領主となった後、一大艦隊を編成してシナを征服し、諸国をその子達に分かち与えんと計画した。~略~

秀吉のおごりや妄想、暴走として秀吉の明攻めを解説する学者の方が多いそうですが、秀吉にそのアイデアが初めからあったとは思えません(個人的見解です)。とすると誰かに発想を聞いていたことになります。では誰なのか?と考えると信長公となります。
バックにはオランダがついています。明の情勢が悪化していることは宣教師から聞いていたはずです。絶対的な差があると思っていた隣国の大国に隙が生まれ、攻め込むワンチャンスがあると考えても不思議ではないと思います。あわよくば広大な新たな領地の獲得です。

領地については越前国に出した信長公のお触書に、次のように書かれています。
意訳すると領地の中に誰の統治下でもない土地をいくつか用意しておきなさい。そして、恩賞として家臣に与えなさい。

太平の世になれば温床として与えるべき土地もなくなってしまいます。すると家臣の中には不満が募り、反乱の火種になる・・・信長公はここまで見越していたのでしょう。

と、ここまでが明を攻めるための表の理由です。
では裏の理由とは何か?それは危険分子の排除です。今は火種はないけれど将来謀反を起こすかもしれない者たちを、異国に追いやれば大好きな(かどうかはわかりませんが)戦も思う存分続けられ、勝てば土地も奪える。負けたとしても不安分子を駆除できる。力がある配下の家臣の牙を合理的に排除できるのです。
日本国内は太平の世に対応したニュータイプの武将(ある意味牙を抜かれた人)と、自身の子孫たちを頂上とした安定した世が送れ、末代まで繁栄が保証されている。古いタイプの戦まみれの人間のはけ口が明攻めとなりえる、これが信長公の狙いなのではないか、と明智理事は述べています。

ちょっとブレイク・・・今回提供させていただいたお菓子は滋賀県産のそばぽうろです。有楽町にある交通会館内にあるアンテナショップ・ゆめプラザ滋賀で売っています。飲み物がほしくなるお菓子です。

信長の思想をまとめ、信長公の恐れを抽出します。
1平家の教え・・・自分一代は栄華を極めたが死後に頼朝・義経らによって一族滅亡
2秦の始皇帝の教え・・・皇帝が重用した部下により一族が滅亡
3韓非子の教え・・・主君は自分の計算で家臣を抱え、家臣は自分の計算で主君に仕える
4漢の劉邦の教え・・・自分が高祖になると功績のあった有力な武将を次々と粛清

乱世を生きた人だからなのかもしれませんが、過去の教えに照らし合わせるとまったく人を信用できないですね。こういう時代があって今があるわけですから何とも言えませんが、改めて厳しい時代なんだと理解しました。

講座が終わると忘年会が始まりました。寒いので鍋です。豚がとってもおいしくて、いつもより会話が弾まずもぐもぐしてました。(フォトbyうがさん)

次回は1月14日(土)を予定しています。テーマは「信長はなぜ本能寺で討たれたのか?」です。詳しくは近日公開のアメブロとフェイスブックの募集をご覧ください。

追記 明智理事から課題が出ています。次回講座ご参加予定の方はぜひ考えてみましょう。
【思考実験】信長の明入りの意図は何か?光秀がそれを知ったら何を考えるか?信長は誰を恐れていたのか?