楽学楽座2018 特別編ー制作の裏側ーレポート

事務局です。講座にお越しいただいた皆様、ありがとうございます。10月13日(土)に開催した楽学楽座2018についてレポートします。

今回の講座は、9月20日既刊の「光秀からの遺言ー本能寺の変436年後の発見ー」(明智憲三郎著・河出書房新社)とヤングチャンピオン連載中の人気漫画、「信長を殺した男4巻ー本能寺の変431年目の真実ー」(藤堂裕作画・明智憲三郎原案・秋田書店)の発売を記念して、お二人に制作の裏側とマル秘エピソードについて語っていただきます。

 

講座は1人持ち時間30分。質疑応答を含め約1時間30分の内容です。トップバッターは藤堂さん。ご自身のツイッターでもつぶやいていましたが、慣れないパワーポイント作業に少しナイーブになっていたようです。入口でお話しした時も「全然自信ないっす。先に終わらせて早く落ち着きたい」との言葉。すごく申し訳ないお願いをしてしまったなと内心思いましたが、いざ始まると、さすがに人前に出ることに慣れていらっしゃる堂々とした話っぷりです。業界用語もいくつか覚えましたよ。

プロット 一番始めにやる作業のことで、漫画のあらすじや設定などの原案の状態

ネーム コマ割りやキャラの配置、構図、セリフなどを大まかに描きこんだ漫画の設計図

モノローグ 実際に声に出すのではなく、心のなかで考えているセリフ

内容も非常に興味深いです。仕事が来たいきさつや明智理事との出会い、人物描写のエピソード、取材時の話、タイトルの話など。歴史ものにあまり興味がなく、断ろうと思っていたという話や、長谷川和彦監督が好きで「〇〇な男」というタイトルをつけたかったこと、ネームの段階で「カリスマを殺した男」と仮タイトルを付けたが、信長という言葉にカリスマが内包されているのでタイトルが変わったこと(出版社の方の話では藤堂さんの奥様が信長を押していたとのこと)、甲冑くらいは戦国に近づけようと工房に取材に行ったこと、主役の光秀がおじいちゃんなので、信長はかっこいいキャラにしようと考えたことなど、ご本人だからこそのエピソードが満載です。

また、取材の過程で安土城に登った時に「この景色を光秀も見ていた。ぜひ描いてみたい」と、制作意欲がわいたお話が印象的です。

 

続いて藤堂さんからバトンを受けた明智理事の番です。

幼少期に明智光秀の子孫だと聞かされ、「どうしてご先祖は本能寺の変を起こしたのだろう」との疑問を解きたいという動機から、定年後のライフワークにしようと考えたこと、執筆の動機として従来伝わっている光秀像は軍記物によるところが多く真実をとらえていないのではないかと考えたこと、自身の系図が本当に光秀につながるのか知りたいと考えたことなどをきっかけに光秀研究を行なっています。

今回の新刊の目玉は年表にあるとし、光秀に関する特に前半生の史料は乏しく、年次比定を見直し光秀全史料年表を作成します。


年次比定 同質のものがない場合、他の類似のものとくらべて、そのものがどういうものであるかを推定すること


講座後は質問会です。今回は武将末裔の方に多数お越しいただいています。少しだけ藤堂さんの本のネタバレになるのですが、おまけ漫画として当会を取り上げていただいています。末裔の方々も登場いただき、似顔絵の反応を伺います。藤堂さんは「怖くて聞けない」とおっしゃっていましたが、おおむね反応は上々とのこと。会場は笑いに包まれます。

また作品で心掛けていることについてお二人は「表現者同士ががんじがらめになってぶつかるのはよくない。藤堂さんと細かな打ち合わせは毎回行なっていない。私が史実だと述べている部分を曲げないでいただければ、いかようにもしてください。軍記物の話は使わないでほしいとのお願いをしている」(明智)、「理屈で人は動かない。理屈は納得するが、感情に乗せないと読者はついてこない」(藤堂)と語ります。

 

質問会が終わると、サイン会が始まります。実はお二人には9月に開催した花押講座にご参加いただき、ご自身の花押を作成していただいています。サイン+花押+押印という完ぺきな組み合わせ。ご朱印のようだとご好評をいただいています。

会が終わると懇談会です。当会の講座は、聞いて学び談話して学ぶをモットーにしており、懇談会も重要な勉強会の一部なのです。お酒も進み夜が更け、本日の講座は終了となります。

次回講座は11月10日(土)。明智理事による楽学楽座2018戦国史学の闇ー明智憲三郎事件ーです。歴史の真相を解明するということは、歴史学界に異議を申し立てることになります。これまでの実態を分析し、明智憲三郎氏の今後の展開を予測します。ご興味を持った方はHP募集中のイベントからお申し込みください。